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Channel: ハーフと就職活動 へのコメント
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サンドラ・ヘフェリン より

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ゆりさん、

 
ご主人大変な思いをされましたね。

 
さて、職探しをする場合、「ハーフ」や外国人が面接の際にぶつかる問題と、「女性」がぶつかる問題って実は非常に似ています。たとえば20代後半や30代で転職をしたい女性、職探しをしている女性は(一部の)企業から面接時に遠まわしに「ウチも前に○○のポジションに女性がいたんですが、出産でいなくなってしまいましてね、非常になんといいますかね、その後(会社として)困ったんですよ、お客様がなんたら・・・」みたいな言い方をする企業もあります。

 
重要なポジションにいる女性が出産・育児休暇でいなくなってしまって、その企業が困ったのは事実だと思いますが、そもそもその会社が女性が出産・育児休暇をとることを視野に入れていなかったこと、出産・育児にまつわる体制がその会社で全く整っていなかったことのほうが恥ずかしいし問題だと思うのです。会社側は育児でいなくなって不便というけど、そんなのは想定内で企業としてまわるようにするのが企業のトップの仕事だし、それを面接を受けに来た女性に対して「むかし、こういう女性(出産育児で仕事に穴を開けた女性)がいて困ったんですよ・・・(まさか、あなたは採用後に、そういうことはしませんよね?)」とふっかける行為自体が問題だと思っています。そして、女性が仕事で認められるために、妊娠・出産しないで仕事をがんばればいいかというと、そうではないと思うのです。

 
「ハーフ」や外国人の場合も似たような事が言えると思います。「前にハーフの人がいて、その人は引継ぎもせず(?)クリスマスにいなくなって大変だった」と企業は言いますが、ゆりさんが書かれている例では実際にそのようなハーフは居たのだと思われます。しかし、一部の企業では、「ウチは正月は会社を閉めて、社員に一斉休暇をあたえているのに、さらにクリスマスに休みたいなんてワガママ」という考えの会社が有ることもまた事実です。これ、問題だと思いませんか。その人の文化の背景により、クリスマスに休みを取りたい人もいますし、中国の旧正月の時期に休みとをとりたい中国人もいますし、5月末のヨーロッパが気候の良いときに「ちょっとヨーロッパへ」と休みを取りたい人もいます(5月末は私のことです)。そこを会社側が「ウチはみんな、正月が休みだから、その前後はクリスマスだの(中国の)旧正月だの休みを取るな」という「みんな一緒」の考え方を嫌味な発言で社員に強いたり、「ウチはゴールデンウイーク会社が休みなのだから、5月末にわざわざ休みを取るな」という考え方を強いたりするのは問題です。またそういう考え方が根底にある会社ほど、「あの人は引継ぎの事を考えずクリスマスにいなくなった」と安易に人に言いがちです。ゆりさんのご主人の会社がそうだとは思いませんが、そういう場合もあるということです。

 
なので「そうでない人(ハーフ)もいると分かってもらうために、ハーフはクリスマスに休まず、5月末にも休まず、ひたすら仕事をがんばって認めてもらう」というのは確かに一つの方法ではあるのですが、長期的には社会も本人もハッピーになれないやり方だと思われます。そしてそのやり方だと企業側は「今までのやり方でいいんだ」と今後も何も体制を変えようとはしないでしょうね。これも問題です。

 
話を総合すると、雇う側に多様性を認める考えが足りない事もトラブルの大きな原因ですね。「前に仕事がいい加減な外国人がいた」とか「前にクリスマスにいなくなるハーフがいた」と企業は言うけれど、そんなのは外国人やハーフを数多くみていれば、一概に言えないことがすぐ分かるはずだし、そもそもそういう個人の事を面接に受けに来る人に堂々と言ったりもしなくなると思います。なので・・・・やはり長期的にハーフや外国人に『増えて』もらい、会社側にも「色んな人がいる」と思ってもらうしかないかもしれません。そして、ゆりさんが書いていたように、面接する側になることを目指し地道に活動していく必要がありますね。★サンドラ★


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